ストレスによって体に症状があらわれる病気に心身症があります。
あなたは、心身症という病気を聞いたことがあるでしょうか?
心身症とは、ストレスによる心の不調が原因となって、
身体に症状があらわれる病気をいいます。
1991年の日本心身医学会による定義によれば、
「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態をいう。
ただし、神経症やうつ病など他の精神障害に伴う身体症状は除外する」
となっています。
ストレスによる体の異常で、顕著な精神障害がない症状をいいます。
心身症が発症する原因
心身症が発症する原因と種類は2種類あります。
●現実心身症
失恋や家族と死別したなど、起こった出来事そのものが
ストレスの原因となります。
●性格心身症
出来事に対する考え方・行動がストレスの原因となります。
生きてきた中で作られた性格などによる影響が強く、
自分でストレス状況を作り出してしまい、それにより、
身体にあらわれた症状を慢性化させたり、再発を繰り返します。
性格心身症は、個人の考え方や行動パターンの改善が
重要になることがあります。
心身症になりやすいタイプ
心身症になりやすい2つのタイプがあります。
●失感情症と失体感症
・失感情症
辛い、悲しいなどの感情が発生しているのに、
自分の感情を実感として感じられないタイプ。
・失体感症
痛みや空腹感など感情や身体への感覚に気が付きにくい、
または、表現することができないタイプ。
●自分を抑えてしまう性格
・人から頼まれたことを断れない。
頼まれると自分のことを後回しにしてまでも頑張的ってしまいます。
・生真面目で徹底的に物事に取り組む。
・目標や欲求が高すぎて、なかなか満足しない。
自分を抑えてしまうタイプは、自分よりも周囲の期待に応えようとするので、
自己犠牲的になりがちです。
期待に応えるために、体や心はずっと緊張してストレスがたまり、
体の不調を招くことがあります。
自律神経失調症との違いは?
では、自律神経失調症と心身症の違いはどんなところでしょうか。
心身症 | 自律神経失調症 | |
症状 | 胃痛、頭痛など身体の器官の異常 | 身体のいろいろな器官にあらわれる 疲れやすい、疲れやすいなど、 あきらかな身体の症状がない |
原因 | ストレス | ストレスの他に、体内リズムの乱れ、 首コリや体のゆがみなどがが原因になることもある |
心身症、自律神経失調症とも、ストレスをためない工夫が必要です。
十分な睡眠をとるなどして、上手にストレスと付き合っていく工夫が大切です。
※考えや行動パターンを自宅で見直す方法がある?
こちらでお話しています。
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